第2章 *二ノ章*
美風さんは呆れたようにため息をついて、私を見据える。
「まぁ、君が言いたくないならいいけど……。」
「ご迷惑をお掛けしました」
「別に迷惑なんかじゃない。むしろますます君に興味がわいたよ」
『興味』がどういったところを指しているかは分からない。
だけど、興味をもたれて悪い気はしない。
「美風さんは、私のどこに面白味を感じたんですか?」
その質問に美風さんは軽く目を見開いていた。
私、何か変なこと言ったのかな……?
驚いていたかと思うと今度はふっと頬を緩めた。
「そういう無駄に素直なところ」
「む、無駄って何ですか!」
「どう考えてもその素直さは好転するようには思えないからね」
……図星です。
返す言葉もなく、黙り込んだ私を見て『ほら』と言わんばかりに肩をくすめた。
少し……いや、かなり悔しい。
「美風さんだってそんなところに面白味を感じるなんて可笑しいです」
これが精一杯の仕返しだった。
もちろん美風さんにそんなのが応えるはずもない。
軽く『そうだね』と返しただけ。
「確かに僕は他の人よりも観点がずれているかもね。だけど君ほど
馬鹿正直な人はそうそういないからね。珍しいと僕は思う」
……この人は一体私を何だと思ってるんだろ?
なんだか珍獣のような扱いをされている気分です。
だけど不思議とリラックスできたのも事実。