第6章 最高級の苺
ボーッとしていて何時間経ったんだろう…
不意にお姉ちゃんの事を思い出す
『帰るね…』
再び両親の眠るお墓に手を合わせて丘を下る
すると──…
「頑張れよ」と誰かが言ってくれた気がした
『…うん』
私はスマホの電源を入れるとジャンジャンと不在着信のメールが届く
『…迷惑かけちゃった』
再び電車に乗り込みボーッと窓の外を眺める
雨は止んでいて月と星が綺麗に出ていた
それを眺めながら家へ帰る
『ただいま戻りました』
右京「さん!」
雅臣「どうしたの?そんな格好で!」
祈織「本当だ。濡れてる」
『友達と勉強してたら雨に打たれちゃって…』
嘘も方便…いい言葉だ