第13章 2度目の初めまして
『…もう構わないで下さい』
血と共に流れる涙は音もなく消える
ポタリポタリと落ちる涙
麟太郎「ごめん、ごめんな…僕はを手放してなくて」
『……っ』
しゃくりも上げずに泣くは僕の言葉に驚きを隠せず見つめる
『……何…を…言って…?』
言われた言葉が分からないと言うように目を丸くする
麟太郎「僕は確かに美和さんと結婚した…。けど本当に好きなのは──…」
『やめて!』
驚きと困惑に満ちた表情で僕の言葉を遮った
『何言ってるんですか…?』
麟太郎「うん…正気を疑われても仕方ないと思うよ」
僕が笑うとはますます目を丸くする