第13章 2度目の初めまして
祈織「っ…」
『祈織さんを大切に思ってる人は…家族は…居るんですよ』
ポタリポタリとちゃんの瞳から涙が零れる
『わっ私にはもう居ない…家族が!確かに…最愛の人を亡くした悲しみや辛さはその人しか分かりません…。ねぇ祈織さん…。同じ苦しみや悲しみを皆さんに渡すんですか?祈織さんが亡くなった世界で生きていけと?』
祈織「それ…は…っ」
『……私には家族がいません。愛も分かりません。けど分かる事がありました。大切にしたいって気持ちです』
ギュッとキツく僕を抱きしめるちゃんはずっと独りで耐えていた事を思い出す