第13章 2度目の初めまして
泣き出し、暴れ、伸ばされ手は何も掴まない
『ねぇ!待ってよ!お願い…っ!』
逃げ出したいという気持ち、その場に留まり助けたいという気持ち、言うことが効かない身体、仮初の家族
全てがを追い詰める
『…嫌だ、嫌だ!』
普段のは常に気を張っていた
それがどれだけを追い詰めていたのか
誰も知らなかった
麟太郎「…」
『……っ…待っ…て…』
面会謝絶でも親変わりの麟太郎だけは会えたが、見ていて苦しいものだ
両手足には拘束具、暴れるのかあちこち擦り傷と事故の時の包帯、今は静かに眠っているが、それでも魘されている