第12章 真実
雨だけど届いて欲しくて
月光を弾き続けた
手が痛み、痺れて動かなくなるまで
『……これから…どうしようかな…』
朝日奈家に帰ることも、麟太郎さんの所にも行けない
『このまま…消えちゃえば…』
そうだ、もう役目は終わった
私は誰にも会わないように1回朝日奈家の自分の部屋に戻り、貴重品と少しの衣類だけをバックに詰め込んで外へ飛び出した
『……これでいい』
途中にあったドラッグストアで包帯とかを買う
流石に血塗れの手は店員さんもドン引きしていたけど、今の私には気にする余裕すらなかった
そしてさっきの教会に戻った