第10章 家族旅行
ただ静かに線香花火だけが弾け落ちる
終わると次の線香花火をつける
淡々としてる作業なのに、の表情は儚げで消えてしまいそうな雰囲気がある
正臣「ちゃん…は…」
『はい?』
先程の顔は引っ込み小首を傾げて正臣を見つめる
正臣「この旅行楽しかった?」
『はい…とても』
その笑顔は何かを我慢している様な気がする正臣は手を伸ばそうとするが
『あっ…終わりました』
ポトンと線香花火が終わってしまった
正臣「あ…あぁそうだね…うん…」
踏み込めない
踏み込まない
踏み込ませない
踏み込まさない
そんな絶妙な距離を取る