第9章 昴の誕生日
『琉生さん、じゃあ卵を割って貰っても良いですか?』
琉生「うん。分かった」
ちゃんは何かを感じ取ったのか僕にお願いして来た
年相応に笑う時もあるけど、やっぱり何処か大人な雰囲気を醸し出すちゃん
『スープは何が良いですか?』
琉生「僕はこだわりないから…ちゃんが食べたいもの」
僕がそう言うとちゃんは困ったように微笑む
『なら、オニオンスープにしますね』
僕が頷くと早速鍋にお湯を沸かして、玉ねぎを切っていくちゃん
慣れた手つきで素早く切っていくから見ていて気持ちがいい
琉生「目が痛い」
『!琉生さんそんな見てたら痛いですよ?』
ちゃんはソッと、けど優しく僕の顔をハンカチで拭った
些細な事なのにずっと続けば良いと思ってしまった