第9章 昴の誕生日
ベッドから起き上がり覗き込む様に見ると、あどけない寝顔をしていた
ドクドクと鼓動が速くなる
祈織「あんまり無防備だと食べられちゃうよ」
スッと唇を指で触るとプニプニとした感触で柔らかく気持ちがいい
そこで何も上に掛けてない事に気づき、近くにあったブランケットを上にかけると、小さく身動きをした
祈織「(起こした…?)」
一瞬ドキッとしたけど、そのブランケットをキュッと握り丸まる
その姿は猫そのものでついつい小さな笑いが出てしまう
祈織「可愛いな」
僕にもまだ人を愛でると言う感情があった事に驚くけど、を取れたくないと言う気持ちが湧き上がってくる
祈織「(…好きになっちゃいけないのにね)」
まだあの頃の事を引き摺っている僕にはは勿体ないと思うが、それでも僕より小さく絵麻よりもしっかりしたを抱き締めたくなった
祈織「(君は一体何を抱えているの?)」
祈織 side終