第10章 episode4 勉強会の時間 1時間目
私のキャラではないし、正直かなりきつい自分への精神攻撃ではあるが、アラサーだよ? 私。
ともあれ、学ちゃんがたったアレだけのことで私を気に入っているのだとしたら、コレで機嫌は直るだろう。
「そうか。ならあんり。君は僕の隣に・・・・・・」
こうして、学ちゃんの独裁政権で昼食の席が決まってしまった。
本来なら楽しみなお昼の時間の筈が、
(なんかお通夜みたくなってる。)
主に私の近くに座れなかった本校舎生徒と学ちゃんの機嫌を伺う五英傑が。
(どうした君たち。何があったんだ。)
ご機嫌なのは、隣の学ちゃんだけである。とはいえ、ようやくお弁当に手を付けようとしたところで、教室のドアが開く音がした。
「おや、今は昼食中だったのか。タイミングが悪かったね。」
「理事長・・・・・・何か用ですか?」
上機嫌だった学ちゃんも、一瞬でいつもの表情に戻った。
「いや、ちゃんと勉強しているのかと思ってね。」
「どういう意味ですか?」
(早くお弁当で、栄養補給したいのに!!)
流石にこんな火花がバチバチと散っている。
その間に居る身を考えてほしい。
「先ほど赤羽くんから、面白い話を聞いてね。」
(業から? え、待って。嫌な予感しかしない。)
そもそもわざわざ電話かなんかしたの?
絶対さ『そうだ。くだらねぇこと思いついた。』
とか思って言っただろう。
「浅野くんが、雪見さんに好意を抱いているようだから、何かやましいことが目的なんじゃないか。と」
(ないない)
と内心で否定はしたものの、事情が事情とはいえ女子が私一人なのは明らかにやましいのでは・・・・・・逆ハー状態じゃん。
「浅野くんに限ってそんなことはない。と思ったのだが、
女子が彼女だけなのは何故かな?」
やっぱ、そこ突っ込みますよねー。
にっこりと威圧してますが、貴方の子供ですよ?