第10章 episode4 勉強会の時間 1時間目
代わる代わる口説きに来たり嫌味を言いに来たりしていた
五英傑も、最終的に学ちゃんが定位置取りをして、
ずっと私の隣に居ることで落ち着いたらしい。ってか、
なんだんだ君たち。勉強会なんだから勉強するなり他の奴に教えてやりなよ。
「嘘だな。それならば理事長があんなことをいう訳がない。」
「理事長のはアレだよ。塾時代の生徒に似てたから、とかそんな感じだよ。」
苦笑いしながら答えれば、渋々と言った感じでようやく引き下がってくれた。
「皆、そろそろ昼食にしよう。」
学ちゃんの号令でようやくお昼。
「はぁ、疲れた。」
先ほどの会話の後沈黙が流れたものの、学ちゃんに聞きに来たりした男子生徒他。
学ちゃん自身もこちらをちらちらと見るものだから、集中出来なくて全然復習も予習も進まない。
「あ、あの! 雪見さん。良かったらお昼一緒にどうですか?」
知らない顔だな。本校舎の人、だよね?
周囲にざわめきが起こる。
『よく言ったなぁ。アイツ』
的な感じである。
「え? 私E組だけど」
「し、知ってます。」
「まぁ、君がいいんなら、別に・・・・・・」
と答えようとし、相手の子も凄く嬉しそうに喜んだ瞬間だった。
「ちょっと目を離してる隙にコレか・・・・・・」
号令をかけてから、昼食を買いに行っていた学ちゃんが戻ってきた。
私が1人に
『別にいいけど。』
と言った途端に
「じゃ、じゃあ、僕も!」
「俺もいいですか!?」
と群がられて否行列ができている訳である。