第9章 episode4 カルマの時間 2時間目
「業くん?」
殺先生が来た。
業が先生不信になった時に言ったことは、忘れていない。
「今日は先生にたくさん手入れされましたね。まだまだ殺しに来てもいいですよ?」
と言いつつその顔は緑の縞々。
舐めてる時の色だ。
「もっとピカピカに磨いてあげます。」
「確認したいんだけどさぁ。殺先生って先生だよね?」
「はい。」
いつの間にか通常の黄色いに戻った殺先生が応える。
「先生ってさぁ、命を懸けて生徒を守ってくれる人?」
「もちろん。 先生ですから」
「そっか・・・・・・なら良かった。殺せるよ」
業はハンドガンの銃口を向けたまま崖から落ち・・・・・・
「!? ちょっとなんのつもり!?」
「何って、盾的な?」
落ちる瞬間私の腕を掴み半ば心中の様な感じで一緒に落ちています。
現在進行形で
「盾!? っていうか、高いとこ苦手なの知ってるでしょう!!」
手入れの盾という意味なのだろうけど、それどころではない。
怖いものは怖いのだ。
業にしがみつくしかない。
「でも、コレなら確実に殺せるよ。」
私はこの後の展開を知っているし、殺先生を信じてるけど
万が一に備えて触手を出すことも考えた方がいいだろうか。
業の走馬燈っぽい回想が終わった頃。
ようやく殺先生がネットを作ってくれた。
「え?」
(助かった。)
とはいえ、私は足が浮いてる状態も苦手だ。
「業くん。」
「あっ」
背中に殺先生の姿が見えて安心する。
「自らを使った計算ずくの暗殺お見事です。音速で助ければ君たちの肉体は耐えられない。かと言って、ゆっくり動けばその間に
君に撃たれる。そこで先生。ちょっとねばねばしてみました。」
蜘蛛の巣。がしっくりくる。
「くそっ! 何でもありかよこの触手。」
「これでは撃てませんねぇ。ぬるふふふふふ。あぁ、ちなみに見捨てる。という選択肢は先生にはない。」
「へっ」
「いつでも信じて飛び降りてください。」
業が先生に心を開いて一件落着。