第8章 episode4 カルマの時間 1時間目
正直に言ってしまえば良かったんだろうか?
現実にいた頃はモブでもいいから、見守りたいと思っていた。今でも最推しは業に変わりない。
でも、一緒のクラスで過ごす内これが恋に近い感情な様な気がして、戸惑いもある。
実年齢差12歳くらいあるし、普通に考えてアウトである。
今は中学生なんだからそういう意味では、セーフと捉えるべきかもしれない。むしろチャンスと思ってもいいくらいだ。
(でも、踏み切れないのは恋愛事に臆病なせいなのかな?)
渚とかはクラスメートとしても1人の主人公としても異性というよりは人間として好きだからって感じで・・・・・・
そうか。
知らぬ間に素っ気ない態度をとっていたのかもしれない。
「ふっ、殺されかけたんだから怒られるの当たり前じゃん。寺坂」
殺先生はこの言葉でさっきの挑発を思い出したらしく、急に壁パンをし始めた。
「しくじって、ちびっちゃった誰かの時と違ってさ。」
寺坂は机をドンっと叩きながら
「ちびってねーよ! テメー喧嘩売ってんのか!」
と反論したけど、そこなの?
渚の所為にしなかっただけまだマシか。
「涙目になってたけどね。」
考えがまとまったところで、小テストは白紙だ。
(こりゃ、怒られそうだ。)
「杏鈴テメーも喧嘩売ってんのか?」
「女に手を挙げるなんて見損なったわ」
「こら、そこ! テスト中に大きな音を立てない!!」
いや、地味に先生の壁パンのがうるさいです。
「それ以上続けるならカンニングとみなしますよ!!」
「ごめんごめん殺先生。俺、もう終わったからさジェラート食って静かにしてるわ。」