第2章 episode0 転生の時間
しかし、夢にしてはあまりにもリアルで・・・・・・
(明晰夢ってやつ?)
なんて、最初は全然現実味がなくて
むしろ見覚えのある顔を見かけても、
流石は夢。と思ってしまったくらいだ。
「あれ? 雪見さん? どうかしたのきょろきょろして。」
そう声をかけてきたのは渚くんだ。
「ううん。寝ぼけてただけ。しっかし、皆真面目だねぇ。」
(最近暗殺教室の絵ばっか、描いてたからなぁ。)
単純にそう思っていた。
所詮は夢だし、周囲の復習や予習している姿をどこか他人事のように感じていた。
「そりゃそうだよ。あ、ここ教えてもらえる?」
渚くんが苦笑いで応えた後、そう尋ねた。
幸いわかる範囲だったので、
「うん。いいよ。」
と答えつつも、視線は教壇前の二人を見る。
「ねぇ、先生。ここ教えて?」
聞き覚えのある声に思わずそちらを向く。
「おぉ! 赤羽。もう2年の範囲をやってるのか。」
「・・・・・・え、マジで?」
2年の範囲をやっていることに驚いたのではなく、
そのやり取りをしている教師の方に、だ。
これがもし、明晰夢ならば
最推しである彼、赤羽業が居るのは当然として、
まぁ、渚くんも問題ないだろう。
しかし、しかしだ。
あのクソ教師の大野はあまり好きではない。
「どうかした?」
渚くんの声で我に返った私は、
「いや、なんでも・・・・・・」
「あぁ、赤羽くん?」
誤魔化せないだろうな。と思いながら、
「え? あぁ、うん。」
ある意味間違ってないけど、正解でもない為つい曖昧に答えてしまった。
「喉乾いたんで早退しまーす。」
うん。
渚くんのモノローグ通り、勝手気ままで怖いものなし。
そのくせスマートで何でもできる。
だっけ?
けど、個人的にはそこに自由人で悪戯好き。
けれど根本には差別しない優しさがある。
も付け加えてほしいところだ。
そして何よりかわいい。
カッコかわいい。
流石に10歳以上離れてるし、普通に犯罪になるから
好きだし推しでも恋愛は厳しいからねー
もう、保護者目線だよね。