第8章 episode4 カルマの時間 1時間目
それに、現実時代は不良なんて怖くて近寄りたくなかったが、業は根はやさしい子だと知っているし、無闇に暴力を振るう訳でもないから、割とその点は安心してる。
「今この場じゃ優等生かもしれない。」
「ん? どういうこと?」
「業はだまし討ちとかそういうの得意だからね。
あと悪戯好きだし。」
そのナイフで遊ぶのカッコいいな。
流石コードネーム中二半。
「って、だからなんで私の腕を引っ張っていくのかなぁ? ねぇ?」
「んー? なんとなく?」
「ねぇ。渚。あの二人付き合ってるの?」
「いや、聞いたことないけど。」
その状態のまま教室まで連行されました。
「っで? 俺の席ってどこ?」
「私の右隣。」
私はガイドの代わりか何か。
私は不機嫌そうに下を向いた。
「まずあんりの席わかんないし。って言うかずっと思ってたんだけどさ。」
「何?」
「なんで俺に対してはいつもツンツンしてんの? 渚くんには普通だよね。」
顔を上げたら至近距離に業くんの顔。
(何このキスできそうな距離感。っていうか地味に壁ドン風なのに意図を感じる。あと業くん何気顔近づけるの好きだよね。)
「俺のこと嫌い? なら遊びに来ないよね。普通に遊んでるし。
ねぇ? なんで?」
それは今応えなきゃいけない問題か?
ほら、皆覗いてるし。
(入りづらいよね! ごめんね。次小テストだし)
「もしかして・・・・・・構って欲しいから。とか言わないよね。」
「・・・・・・」
沈黙を貫き通すべきか、照れ隠しだよって言って赤面させるべきか。
ドンっと壁を叩く音が響く。
(アレ、ちょっと怒ってる?)
「この状況で無視? そんなに言いづらいことかな?」
皆が見てる以上下手ことも言えないよなぁ・・・・・・そうだ。
「実は業に黙ってたことがあるんだ。」
「何?」
実は私ストーカーなの。
いやいやいや、確かにスマホの写真フォルダ業の隠し撮り写真だらけだけどそっちじゃないよ。
「ほかの皆は知ってるんだけど」
烏間先生にも後でに教えました。
例の成長を操る薬のことね。
「薬?」
それまで真剣だった業の表情が怪訝な顔に変わる。