第7章 episode4 体育の時間
「とはいえ、やっぱり体育は、ねぇ。」
「あぁ、人間の先生に教わりたいわ。」
「にゅや!?」
砂場で石を積んで遊んでいた殺先生が泣いてる。
まぁ、人間姿なら女子には人気出たかもね。
確かにイケメンだし。
「よし、授業を続けるぞ。」
思いっきりスルーだよ。
誰か慰めてあげなよ。
「!?」
え、今一瞬人間時代の殺先生。否死神が見えたような・・・・・・
私に向かって笑った?
殺先生も驚いてる。ってことは幻覚の類じゃない?
「だ、誰あの人?」
「ちょっとカッコよくない?」
皆にも見えてる。
「でもなんか透けてね?」
「幽霊だったりして・・・・・・」
そう、人間時代の殺先生には違いないけどその姿は透けている。
でも、同一人物である以上存在しているはずもない。
(一体・・・・・・)
殺先生の涙が驚きで止まったことで、まるで幻影のような死神は消えていった。
「本物の幽霊!?」
途端にざわめきだす。
あと、何か言われたらしい殺先生は驚いた顔で私の方を見た。
(何言われたんだろう?)
気にはなるものの、
「静かに。にわかに信じがたいが今は暗殺に集中してほしい。」
「でも、烏間先生。こんな訓練意味あるんすか?」
と前原。
(何言ってるんだ。基礎は大事だぞ。勉強と同じで基礎が出来ずに応用できるか。)
とは思っても口に出さない。
これは、社会人になってから学んだ事だからね。
「しかも、当のターゲットが居る前でさ。」
「勉強も暗殺も同じことだ。」
はい、今思ったことですね。
昔は、これが何の役に立つんだよ。
と思ってたけど、トリップしてみたら習ってって良かったと思ったし。
経験は大事だね。