第3章 episode1 始業の時間
ブーイングに対して殺先生は、弾が入ったピストルで自らの触手を一本吹き飛ばした。
「殺せるといいですねぇ。卒業までに・・・・・・さぁ、銃と弾を片付けましょう。授業を始めます。」
皆で文句を言いながらも片付けをする。
「はぁ、めんどくさ。だから言ったじゃん。」
「あんりはわかってたみたいだね。」
机を動かしながら、渚が話しかける。
「ホントホント。」
そこに茅野ちゃんも加わった。
「まぁ、予想できることだったし」
「確かに、やる前にやめたほうがいいんじゃない? って言ってたもんね」
「後片付けめんどくさいからね。」
「そっちなの!?」
ちなみにその頃の殺先生はあの独特の
『ぬるふふふ』と緑の縞々のまま笑っていた。
1時間目は英語
(Whoとか懐かしいね。)
私の席は業くんの左隣、奥田さんの後ろだ。
(ほほぉ。殺先生の授業わかりやすい。)
ふと、窓の外を見ると三日月が見えた。
(ホントに三日月形になったんだな。でも最終的に真ん丸に戻るしいいのか?)
なんてぼんやり考えていたら、中村ちゃんが怒られて後ろのほうに来た。
「どんまい」
「あんがと」
小声でそう会話してから、授業に戻る。
久々の授業――――――否わかりやすい授業で
(懐かしいなぁ)
と感慨深くノートを取っているうちお昼休みのチャイムが鳴った。
殺先生はマーボを食べに中国まで行ったらしい。
10分で行けるなんてお手軽だな。
休み時間。とはいえ、まだ初期の暗さ落ちこぼれという認識から抜け出せてないE組の皆はどこか暗い。
(せっかく楽しい先生なんだから楽しめばいいのに。授業もわかりやすいし。)
一緒に授業を受けるとつい、そう思ってしまう。
(っというか、素朴な疑問なんだけど、番長気質の寺坂はここの入試クリアしたってことだよな・・・・・・うん。考えるのはよそう。)