真選組に入った現代少女はとりあえず刀握りしめて戦うか【銀魂】
第33章 2度目の夏
館長「私はね、本なんかどうでもいいんです。私の目的はあなた方です。」
名無し「私達…?」
いまいち話が掴めないでいると館長さんは着物の懐から竹でできた筒を取り出した。
館長「私はこの図書館の館長でもあり、"攘夷志士"なんですよ」
名無し「まさかっ!」
館長「真選組唯一の女隊士であるあなたは非常に隊士達から好まれているようですね。
お噂はよく聞いていますよ。
さて、ではそんなあなたの事を人質に取って真選組を脅せばどうなるでしょうか?」
私は素早く着物の中に隠していた短刀を取り出した。
だがそれはあっけなく阻止された。
館長「遅いっ」
名無し「った…!」
短刀を握った右腕に針が刺さった。
館長を見ると竹筒を口元に当てていた。
名無し「吹き…矢…」
館長「そうそう、その針には毒が塗ってあるんですよ。
じわじわと効いてくる毒なのですが、少しずつ各器官が麻痺していって最後には心臓も麻痺して死にます。
一時間かけてゆっくりとね」
鳥肌が立つほど気味の悪い笑をうかべる館長を見て既に唇に異変を感じていた。
それどころか突然体が重くなって私は膝から崩れ落ちた。
館長「そうだ。その毒には麻酔効果もありましてね。そろそろ眠たくなってきたのではないですか?」
名無し「それ…で…」
だんだんとまぶたも重くなってくる。
館長「では真選組の皆さんに会いに行きましょうか」
ピッ――――――
館長「あぁ、私だ。女隊士の捕獲に成功したから奴らを地下まで連れてこい」
おそらく仲間に連絡しているんだろう。
せめて、せめて体が動けば…短刀で!
それでももう私の体は支えるので精一杯だった。
そうして私の意識はそこで途切れた。