真選組に入った現代少女はとりあえず刀握りしめて戦うか【銀魂】
第27章 真選組のデート
秋夜「俺さ、真選組辞めようと思ってんねん」
唐突な言葉に向いていたリンゴを落としそうになる。
名無し「えぇっ、何で!?」
秋夜「前にこれ以上俺と同じ思いする奴が出ないように真選組に入ったって言ったやん?
それもあんねんけど、俺が今真選組にいるのってほんとは心のどっかでまだ攘夷浪士に復讐したいからやと思うねん。
最初はそれでもええかなって思っててんけど、何でも真っ直ぐに向かってく名無し見てたら『これじゃあかんな』って思い始めてん。
だからもう1回大阪戻って気持ちの整理つけてくる」
はぐらかすように笑ってはいるけど、言葉一つ一つから真剣さが伝わってきて声をかけることが出来なくなった。
秋夜「それに、好きな女の子1人守れんとこんな傷付けさせてまうようじゃたくさんの人を守ることなんて出来んやろ」
再び秋夜が私の頬のガーゼに触れる。
私はその手を掴んでうつむいた。
自分の涙が秋夜の手に落ちる。
秋夜「え、ちょっ!何で泣くん!?」
名無し「ごめん、私が泣いてい立場じゃないのはわかってる…グスッ…でも、秋夜、大阪に帰ったらもう会えない気がして…」
秋夜は私の体を引き、頭を包むように腕を回した。
秋夜「気持ちの整理つけに行く言うたやろ?ちゃんと整理ついたらまた戻ってくるから。ま、そん時にまた真選組に入れたらの話やけどな」
名無し「またそうやって冗談ばっか…」
秋夜「冗談言ったら名無しはいつも笑ってくれるやん」
秋夜な切なげな声に息が出来なくなる。
秋夜「あと、好きでもない男の前では泣くもんちゃうで」
名無し「ご、ごめん…」
体勢を戻して慌てて涙を拭いた。
秋夜「ちゃうねんで。男は目の前で女が泣いてたら何するか分からんからな。
今日は俺やったから大した事はならんかったけどな。気ぃつけや?」
名無し「うん。ありがと…」
こんな時でも私の事を考えてくれてほんとに秋夜の寛大さを感じる。