第9章 真選組女中生活 X日目 沖田総悟
「もうお腹いっぱいです。ありがとうございました。」
「おう、そうかぃ。んじゃ俺はこれ戻してくるわ。」
「わ、私がやるので!沖田さんはやらなくていいですよ!」
「病人がでしゃばるんじゃねーよぃ。それにこけて落っことしちまったらどーすんでぃ。」
「…はい、ありがとうございます。」
「フンッ、最初からそーしとけぃ。」
少女の頭を軽く、ポン、と叩くと沖田は足取り軽く食堂へ向かった。
一方、残された少女機嫌がよさげな沖田の後ろ姿を不思議そうに見ていたのだった。
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とは言ったもののどうしたもんかねぃ。
少女への想いを自覚し受け入れることができた沖田。とは言ったものの沖田にとってこれは初恋であり、どう進めていけばいいのかわからないでいた。顔面偏差値がかなり高い沖田はそれなりに言い寄ららたことがないわけでは無いが性格を知ると離れて行く女性がほとんどであった。逆に性格で惹かれる女性も中にはいたのだが…
かと言ってをイジメたいとは思わねーしな。
少女にドSを発揮したいとはそれほど思はない沖田。というかどちらかと言うと、猫可愛がりしてやりたいとさえ思うほどのである。
まあ、たまに揶揄ってやりたいくらいは、思わねーんでもねーが。
自身の周りに色恋で指南を仰げるような人は見当たらない。
ザキはあのカラクリにゾッコンだが無理そうだし、近藤さんは…
いたとすれば唯一土方が沖田の姉ミツバといい感じにいっていたのだが、それは死んでもしたくないよう。沖田自身、その件については蹴りをつけているのであるが、それとこれとでは話が別である。