第9章 真選組女中生活 X日目 沖田総悟
なんやかんやあって見廻りは免除してもらった沖田。しかし自身の気持ちを知ってしまい、少女との合わせる顔が見つからない。
俺どんな顔してに会えばいいんですかぃ。
自室に着くとまたもや少女はいなかった。今度も布団に手を入れて見るとまだ暖かい。厠へ行ったのだろうと廊下に出てみると、昨日よりは回復しているようなのだが、壁に手をつきゆっくりと歩んでいる少女を見つけた。沖田は駆け寄る
「ほら、捕まりなせぃ。」
「ああ、沖田さん。おはようございます。私は大丈夫ですのでお気になさらず。」
「は?何言ってんでぃ?病人なんだから気を使うんじゃねーよ。」
そう言うと沖田は少女を抱き上げた。いきなりのことでびっくりした少女は沖田にしがみついた。
ヤッベェ…やっちまった。顔近えなオイ。なんかめっちゃいい匂いするし…違うシャンプーでも使ってんのかねぃ。
自身の思いを認識している今、自分でやったこととはいえ、少女との距離が近くなり、自身の心臓が早まっているのをバラやしないかとハラハラしている。
「ほら、つきやした。そう言やお粥もらってきたんだが食べられますかぃ?」
「あ、ありがとうございます。いただきます。」
「そうですかい。そら、食いなせぃ。」
「…沖田さん?自分て食べられますよ?」
少女を布団に下ろし、お粥を食べると言ったので食べさせてやろうとする沖田。昨日食べさせてやったことが不謹慎なのだが、愛らしくて病みつきになったようで。
一方少女は沖田に迷惑かけると思い、断わろうとするのだが却下されてしまった。仕方なく食べさせてもらおうと思い口を開けたが、これが存外恥ずかしいらしく頬を赤くした。