第9章 真選組女中生活 X日目 沖田総悟
沖田が厠へ駆け込んだせいで寝込んだままの少女と置き去りにされてしまった土方。状況が状況だったので沖田を責めるわけにもいかず、ため息をこぼす。
まあ、しゃーねか。アイツも年頃だし、あの状況じゃあなあ。どうやら気もあるみてーだし、まあまだ無自覚だろうが…もアイツとくっつきゃ少しはマシになんのかね…
「てか、俺どうしやいいんだ。」
今更ながらに状況を思い出した土方。仕事が山ほどあるため沖田を待っているわけにもいかず、自室に戻ることにした。
まあ、今日くらいの面倒を見るってんなら、見廻りくらいは免除してやってもいいかもな。
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厠から戻って来た沖田。スッキリしたようだが顔がまだ赤い。まだ寝巻きであるので自室に戻らなければならないのだが、その足取りは少し重たい。
ああ、俺おかしくなっちまってる…寝てないせいだ…かといってこんなことに言う訳にもいかねーし。
まだ冷めない顔を仰ぎながら自室に戻った。土方の姿はもう見えない。とりあえず寝ていた訳ではないが、ある意味寝坊しているので一旦着替えて朝食を食べに行くことにした。そのついでに少女の分も取りに行くことにした。
「よく寝てんなあ…クッソ、こっちの気も知らねえーで。元気になったらタダじゃおかねーから覚悟しときなせぃ。」
そんなことをいいながも頬を緩ませている沖田。頭を一撫でしてから食堂に向かった。
「沖田さんの気って何?」