第9章 真選組女中生活 X日目 沖田総悟
少しすると少女はシャワーを浴び終わり、寝巻きに着替えた。部屋に常備している水を飲んでから一呼吸をおき、襖を開けようとした。しかしその時、少女は自身の体重を支えきれず襖と一緒に倒れてしまった。
「っ!大丈夫か!?」
「あ、沖田さんお騒がせしました。」
「ちょっとどいてろ。」
沖田少女を下ろして襖を元のようにたてた。そしてもう一度
「怪我はねーか?」
沖田の言葉に否定をすると少女は俯いて沖田の手を重ねた。そして震える声でこう尋ねた。
「今日だけていいので一緒に寝てもらえませんか?」
「…はあ?」
「お願いです。無理なのも嫌なのもわかってます。今日だけでいいのでお願いします。」
少女の声は震えていた。少女はに土下座をして頼みこんでいる。身体は158と対して大きくもない少女はこの時ばかりはとても小さく見えた。
「何俺が嫌って前提で話進めてんだ、それくらい構わねえよ。」
ぶっきらぼうに言うと、沖田は少女を抱えて自室に戻った。顔は横に背けているが耳が少し赤い。少女は嫌嫌でないことを悟ると安心したように沖田に寄りかかる。
部屋に着き沖田も急いで風呂に入ってくると時刻はもう午後9時過ぎ。2人は1つの布団で一緒に寝ることになった。
沖田は腕まくらを促すと少女はなんのためらいもなく沖田の腕に頭を乗せ眠りについた。すぐにスースーと寝息も聞こえてきたのだが、熱のせいかその寝息が沖田には少し艶っぽく聞こえる。顔に熱が集まるのを感じた沖田、それに追い打ちをかけるが如く少女は沖田の足を絡ませてきた。
あーーー!ヤバイヤバイヤバイ、マジヤバイ。コイツなんなの?てか俺この状況なんなんだ!?据え膳かあ!?いや、待てよ。コイツと付き合ってもないのに据え膳もクソもねえか。ってちげーよ!そうじゃなくて、あーも!なんで俺がこんなに悩まなきゃいけねーんだ!明日絶対土方殺す。
なんの脈絡もなく殺人予告を出された土方。ある意味何時もの通りなのだが、とんだとばっちりである。