第9章 真選組女中生活 X日目 沖田総悟
沖田の布団に入ろうとして、少女は思い出したように沖田に尋ねた。
「汗をかいたのでシャワー借りてもいいですか?」
「構いやせんが着替えは持ってどうすんでい?」
「あー、取りに行ってきます。」
「フンッ、だったらの部屋で浴びりゃーいいじゃねーかぃ。」
なんの考えもなしに呟いた少女の提案をさっと受け入れた。沖田は少女を負担が少ないようにゆっくりと横抱きにすると少女の部屋へ連れて行く。少女はおとなしく沖田に寄りかかった。
部屋に着き少女をゆっくりとおろしてあげてから
「慌てずに入ってきなせぃ。俺の事は気にしなくていいから。」
「はい。」
少女は力なく返事を返すと、先程のようにヨロヨロと部屋に入り、浴槽へ行った。沖田は襖を閉め、柱に体重を預けると、ずるずるとしゃがみこんだ。
あんなん反則だろぃ…
沖田は顔を赤く染めて顔を隠すように体育座りする。
少女の瞳には相変わらず光が宿ってはいない。しかし、いつも誰にも頼ろうとしなかった少女が、今日は沖田に素直に甘えている。また、熱のせいであるが顔は赤く目もトロンとしており、13の割に大人びた少女はどこか色っぽく沖田には感じられた。極め付けに先程少女を運んで来た時におずおずと沖田の着物を掴んだのである。おそらく少女は無意識のうちにやってのけたのであろうが、普段とのギャップが沖田におそいかかった。
俺はどうかしちまったよんだろうかぃ。最近アイツ見てると変な気になっちまう。あーも、どうすりゃいちんだよ。