第9章 真選組女中生活 X日目 沖田総悟
少しすると少女の規則正しい呼吸音が聞こえてきた。沖田は少女の額に浮かぶ汗を手拭いで優しく拭き取ってやる。
「は俺の前から消えないでくれよ。」
沖田は小さく呟き少女の頭を優しく撫でてやる。心なしか眉間に入っていた皺が浅くなったような気がする。
「頼むから俺を置いていかんでくだせぃ。」
今度ははっきりと懇願するように呟く。そして今午後からの見廻りを思い出した沖田は少女の事を気にかけながら部屋を後にするのだった。
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仕事が終わりご飯を急いでかきこんだ沖田は、すごい速さで自室に戻った。しかしそこには少女の姿が見当たらない。布団が片付けられずに残ってあるので手を突っ込んでみるとまだ暖かい。
て言うことはさっきまでここにいたって言うことか?いったいどこに行ったんだ?
焦って自室から出てみるとヨロヨロと壁をつたいながらこちらは戻ってくる少女を見つけた。沖田は少女に駆け寄ると極力優しく尋ねた。
「どこ行ってたんだ?」
「え、えーと、お花を摘みに行っていました。」
「あ、ああ。そうか。手ぇ貸そうか?」
「すいません、お願いできますか?」
返事を聞くや否や沖田は少女の腰に手を回して体重を預かりゆっくりと歩いた。
そういや、コイツ生理だったんだ。わすれてたぜぃ。嫌な気分にさせちまったかねぃ。…そういや、俺の手をすんなりとかりたな。そんなに辛ぇのかよ。
少女は然程重い生理痛を持っているわけではない。しかし、緊張が続き大きなストレス抱えての仕事。その上最近は悪魔にうなされよく眠れていなかったのである。これらが重なって痛みが押し寄せるように来てしまったようだ。