第9章 真選組女中生活 X日目 沖田総悟
「あーあ、やーっと終わったっていうのにまだあるのかよ。ったくめんどくせーな。」
「沖田さん沖田さん。」
「ん、どうしたんでぃ?」
「その書類お手伝いすることってできますか?」
少女の目には相変わらず何も宿していないのだが、沖田をまっすぐ見つめながら質問する。少女の思惑は全く読めないのだが、渡された書類をやる気の無い沖田は少女の視線を感じたまま書類を軽く確認する。特に機密情報など知られてはまずいものは無い。つい最近の攘夷浪士を見かけ捕まえる際に壊してしまった備品等の始末書がほとんどであった。沖田は少女の向きを変えるとそのまま後ろから抱きしめるようにし、肩から顔を出して書類の指示を出しながら少女に変わりにやってもらうことにした。
沖田の指示をすぐに飲み込んだ少女はスラスラと書類を片付けていく。その様子を見て沖田はその体制のまま眠りについた。
からいい匂いがする。なんか俺と違う石鹸でもつかってんのかねぃ。そういや、コイツあんな出し色々こそこそとやっててもおかしかねーか。
少女が始末書をやり終えた頃には午後6時を回っていた。沖田は少女の腰に手を回しグッスリ寝ているようであった。起こすのは可愛そうだと思ったのか少女は、沖田を起こさないように腰の手を解き書類をまどめ、山崎の部屋に持って行った。離れる際、沖田の横にして掛け布団をかけてやった。