第9章 真選組女中生活 X日目 沖田総悟
その後も先程の状態で黙々と書類を片付けていく沖田。少女は何も言わず、ずっと沖田の胸に顔を埋めている。4時を過ぎる頃一通り終わった沖田は少女の頭を撫でる。少女が不思議に思い顔を上げると目が合う2人、その間も沖田は頭を撫で続ける。すると少女は気持ちがいいのか沖田の手に擦り寄るような動作をする。
なんか、犬みてーだな。お手とか言ったら左手出すんかねぃ。…やんねーけど。…可愛いんだな。そいうや顔は整ってんだな。許嫁もいたらしいがモテてたんだろうかぃ。
そう考えながらもずっと撫で続ける沖田。なかなか飽きないようなので、目を瞑りされるがままの少女。
そのうち、山崎が沖田の部屋を訪ねて来た。
「沖田さーん。入りますよー。」
「おうザキ。どうしたんでぃ?」
「あ、ちゃんと報告書やってくれたんですねー。ちゃんも見張っててくれてありがと。」
そういうと山崎は少女の頭を撫でた。先程の沖田の時と同じように山崎の手に気持ちよさそうに目を閉じる。その様子に山崎は癒されたのか気をよくする。一方沖田は逆にムッとした表情で山崎の手を払う。
なんでザキの手にもこんなに気持ちよさそうにするんでぃ。腹が立つ。意味わかんねえ。
「んで、なんのようなんでぃ。」
「単に沖田さんが書類片付けたのか見に来ただけですよ。終わったようなのでもらって行きますねー。あと、これ終わったら今日は上がっていいと副長がおっしゃってましたよ。」
沖田が手を払ったことをなかったかのように、話をする山崎。ここに来る前に土方に持たされた書類を、渡し沖田が先程終わらせた大量の書類を持つと山崎は部屋から退出した。