第9章 真選組女中生活 X日目 沖田総悟
「あ、ちゃんといやしたか。ちょっとこっちに来なせぃ。」
「はい。」
沖田が机の前に座り少女を呼ぶ。少女が沖田に近寄り隣に座ろうとした時、沖田は手を引っ張って少女を自分と机の間に入れた。あまりの驚きに少女は声もでず、ただ目を丸くしただけだった。
「やることがないんならそこで俺のクッション代わりになってなせぃ。」
「…。」
まだ驚きが残っているので声が出ない少女はコクコクと頷いて見せた。沖田は優しく微笑むとそのまま書類に視線を移し、黙々と片付けていった。
しばらくして、朝ごはんの時間になったので一旦作業を中断し、2人は食堂に向かう。その時少女も沖田もお互い口を開きはしなかったのだが、2歩後ろを歩く少女の肩を引きそのまま肩に手をかけながら移動した。2人とも他意はないのだがその様子は側から見ると恋人同士のようである。
食事を受け取り席に着いた2人。しかしなかなか箸の進まない少女を沖田は片肘をつきながら見守る。その目は優しく、愛おしいさがこもっていた。昨日の今日で食欲が無い少女は沖田に譲ることにした。