第8章 真選組女中生活 14日目
「ほ、本当にここに来ちまった…」
「…な、何するつもりネ…」
「しっ、静かにしてくださいよ。何が出て来ても声を出さないでくださいね。」
口裂け女が出ると言う噂の場所へ着いた少女と一行。少女は時計を気にしている。今の時刻は午後8時10分前。あたりはすっかり暗く、ところどころにある街灯のおかげでやっと見える程度である。そして、口裂け女が出て来てもおかしくない状況でもある。
先ほどの山崎の警告に従い坂田は神楽の、神楽は新八の、そして新八は坂田の口を塞いでいる。近藤と土方は互いにの口を塞いでいる。
「ねぇ、私きれい?」
一行が少女を見守っていると口裂け女が少女の前に街灯の陰から姿を現した。先程から怖がっていた5人は声にならない悲鳴をあげる。一方心霊にそこまでの苦手意識のない山崎と沖田は少女と口裂け女の様子を見守る。
「ねぇ、お嬢さん。私きれい?」
「…私は個性的で素敵だと思いますよ。"くーちゃん"。」
「…"くーちゃん"?」
口裂け女は少女の言葉を繰り返すと少し固まってしまった。その様子を陰から見守っている一行は少女が殺されてしまうのではないかと、ハラハラしながら見守る。