第8章 真選組女中生活 14日目
ただ今8月23日金曜日の午後7時半。少女は口裂け女のところへ行くために屯所を後にした。門の警備の方には小腹がすいたのでおかしを買いに行くと言うと快く門を開けてくれた。もちろんそれは近藤達の配慮であるのだが少女が気づくことはないだろう。少し離れだところから近藤、土方、沖田、そして山崎がつけている。斉藤はほかの仕事があったため不参加である。
「一人でんなとこ行ってどうするつもりなんかねぃ。」
「全く見当もつかないな。」
「ほ、本当にオカルトに興味あるだけだったらどうしよう…」
「バッ、んなこと言うんじゃねーよ!」
「副長、バレるのでもう少し静かにお願いします。」
「あれー、土方さんもしかして怖いんですかぃ?」
「な、んなわけねーだろ!ぶっ飛ばすぞ!」
顔色が青い近藤と土方。そんな土方を意地の悪い顔でからかい倒す沖田。沖田と土方は少女にバレないよう小声でで言い合いをしていると横から万事屋一行がやってくる。彼らも少女が気になって様子を見にきたようである。小声ながらに一番後ろで言い合いを始める坂田と土方を横目に山崎はしっかりと少女の尾行を続ける。
しばらく行くと少女がコンビニへ入った。盗聴器は屯所を出る前に一応山崎がつけたのだが、念のためそこもついて行く。とはいえ大人数で入ると目立つため山崎のみである。どうやら少女が買ったものは市販のお茶を二本だけである。数に疑問を持ちながらも一向は尾行を続ける。
ちなみにだが少女は全く気づいてない。