第1章 ここは夢?それとも異世界?
「…んな、嘘くせー話信じると思ってんのか。」
「ちょっと!マヨ!女の子にそんな言い方無いアル!もう少し優しく言ってあげたらどうアルか?!」
「んなこと言ってもよ、こんな妄想に近い話をどうやって信じればいいんだよ。」
「そう…アル、けど…」
ですよね…こんな話。私自身も信じられないもん。この人の言う通りだよね、だけど…
「確かに…信じ難い話だと思います…私も…よくわからないですし。でも…これが…事実なんです…少なくとも…私にとって…」
信じてもらえるなんて、はなから思ってない。とりあえず、ここの場所を教えてもらって、家に帰れば、
「んでもー、お嬢さん。それが本当ならどうやって家に帰るんだ?」
「そうですねぃ。その話が本当なら家に帰れる確率は低いですぜぃ。」
「あ、あの、私、その、特に方向音痴でも無いって言うか、その、方向感覚は人並みにはあるのです、その、ここがどこだか教えてもらえれば、自分で帰れます…」
「ほーぅ、そりゃいいですねぃ。ついでにコイツを家に連れてけば俺達ゃ、仕事を遂行したってことにならぁ、ねぇ、土方さん。」
「あぁ、そうだな。ここは江戸のかぶき町だ。んで、お前の家の住所は?」