第7章 真選組女中生活 12日目
「…充分過ぎるほど甘えさせていただいてますよ。休みもお給料もいただいているのにこれ以上多くは望みません。」
「ふーん、そっか。んま、お前がそれでいいんなら文句はねーけどよ。甘えたくなったらここに来いよ。なんか甘ーもん持ってきてくれたら好きなだけ甘やかしてやるからよ。」
「そうネ!私にどーんと頼るヨロシ!おんなじ女の子同士仲良くするネ!」
「僕は同性でも歳も神楽ちゃんほど近くはないけど頼ってくれてもいいんだよ。もちろんお礼なんていらないし。」
「…ありがとうございます。もしその時が来たら宜しくお願いします。」
「さーてと、とっとと図書館まで案内すっか。どうせ行くんなら沢山読みたいだろ?」
「はい、そうですね。宜しくお願いします。」
いい感じの空気に戻った万事屋。早速少女の依頼に答えることにした。
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「そういえばなんですけど、この辺りに妖怪の噂とかってあったりしますか?」
「よよよよよ、妖怪?なななな、なんでそんな事聞くんだよ?」
「え、えーっと、あ、私オカルト的なのにちょっと興味があって。もし次休みがもらえたらそこに行ってみようかなって。」
図書館までの道案内の道中、少女の質問に一気に顔色が青くなる3人。その様子に気づかない少女は答えをせがむ。仕方がないので思い出そうとする3人。首をひねっていると漸く坂田が金曜の夜、あたりが暗くなるころにある場所で口裂け女が出るという噂を聞いたことがあったことを思い出した。それは少し前に万事屋に依頼があったものなのだが、3人ともそのような内容はあまり好ましくなく、ついでに報酬もそれほど良くなかったので断ったのであるご。