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銀魂 トリップ

第7章 真選組女中生活 12日目


ほんの数秒の事だが万事屋には異質な空気が走った。3人ともわかってはいたのだが忘れていたのだ。少女が異世界から来てしまった事を。今の少女には仮の居場所しかない事を。そして、身寄りがないことを。




「なあちゃん。お前さんさ、もう少し子供らしく甘えたいとか思わないのか?」



坂田の問いかけに少女は首を傾げる。少女にとっては警察に拷問もかけられずましてや牢屋にも入れられていない今の状況がまさに甘えだと思っているのである。
真選組があるということは幕末。つまり少女のいた世界では動乱の幕開けのあたりである。高杉や桂さらには攘夷のような明治維新の時に必須用語である単語を耳にする。たとえここに宇宙人がいるとはいえ、それは少女に今の時代がどれほどの危険であるかを十分すぎるほどに教える。
とは言えども、上記のことは少女の個人的な考えであって、他のものは知る由もない。他の者には近藤の遠縁または、異世界から飛ばされて来てしまった可哀想な女の子でしかない。だから少女が年齢の割にあまりにも表情が乏しいのが気になるのである。全く心情を出さないのならば焦りや驚きの表情を見せるはずがない。だがそれらの表情は見せるので、少女が我慢して抑え込んでいるに違いないと思っているのである。
みんな少女にもう少し年相応に甘えて欲しいのである。
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