第5章 真選組生活 5日目
「わ、わ、お、沖田さん!?急に何するんですか!?」
「何っての髪を乾かしてるんでさぁ。いいからじっとしてなせぇ。」
「良いですから!そんなことしていただかなくても!」
「俺がすきでやってんだから良いんでさぁ。良いからじっとしてなせぇって。」
「…」
お風呂に入り暇だったので少女の部屋を訪ねた沖田。沖田が訪ねた時は少女がお風呂から上がってすぐだった。なので、少女の髪からは雫が滴り落ちていた。沖田は少女が風邪をひかないようにと、ドライヤーで乾かしてあげることにした。
「綺麗な髪、持ってんだな。」
「そうですか?ありがとうございます。」
「…前から思ってたんだがオメーさん、周りに気を使いすぎなんでさぁ。もうちっと頼りなせぇ。」
「そんなことないですよ。今だって甘え過ぎなくらい甘えさせていただいてます。」
「はあ。」
「え、なんでため息つくんですか?」
「…なんでもねえ。」
無自覚で甘え無いようにしているのか、甘え無いように自制しているのか。先日の土方の前で泣くほど気を張っているのは事実である。沖田は土方や近藤のように甘えて欲しいのだが年が近いせいかなかなかそのそぶりは見せないので内心寂しいのである。
沖田は少女の髪を乾かし終えたので
「なあ、の家族ってどんな感じだっんだ?」
「フフッ、いきなりですね。んー、どうでしょう。一言で言えば普通じゃない家族ですかね。」
「そりゃー、どういうことでぃ?」
「えーっと、まず上に6人兄と姉がいるんですよ。私は一番下なのですが私も含めて全員許嫁がいるんです。」
「へ、へえ。」
「武田家は一応茶道の家元なんです。それもかなり歴史あるんですね。あと、んー、秘密ですかね」