第5章 真選組生活 5日目
「なんで、秘密なんでぃ?」
「だってー、もしバレたら姉さん達に怒られちゃいますもん。だからダメです。」
「絶対言いやせんから、言いなせぃ。」
「やです。沖田さん絶対誰かにバラしますもん。」
「チッ。」
「残念でしたね。諦めてくださいね。」
別にいいふらすつもりもなく、かと言って調査のつもりも無く、ただの興味があっただけのことである。しかし、自身のことを教えてくれない少女にほんの少しだけ苛立ちを覚えながら
「ま、近々吐かせる予定なんで覚悟しておきなせぇ。」
「フフッ、私、口の硬さだけは自信があるので。負けませんよ。」
「はっ、勝手に言ってろい。」
沖田は軽口を叩くと少女の頭を一撫でして部屋を出て行った。一方、少女は憎まれ口を叩かれはすれど撫でられるとは全く思いもよらなかったので少し固まってしまう。それが沖田の気遣いであると勝手に解釈すると、明日も早いのでさっさと寝る用意を始めて寝ることにした。
一方沖田は今夜も近藤の部屋にいこうと思ったのだが、今日は2人とも別の用で留守にしていることを思い出すと、踵を返し自室に戻り彼も寝ることにした。