第4章 真選組生活 2日目
今日のご飯も美味しそうだなぁ。どこで食べようかなぁ。あの端っこかよかったけど、もう誰か座っちゃってるし…ま、どこでもいいか。あそこぽっかり空いてるしあそこでいいや。
午後7時少し過ぎ、少女はまばらに集まっている食堂にて夕食をとる。北来たばかりの少女に一緒に食事をとる人はいないので出来るだけ目立たないようなところでとることにした。
今日のご飯も美味しい。牛丼なんて初めて食べたけどかなりいい感じ。ご飯少なめにしてもらえてよかったけど、なんか毎回申し訳ないな。ご飯自分で用意できたらいいんだけど、その方が返って邪魔だよね。
「よお、ここいいか。」
1人ご飯を美味しそうに頬張っていると土方が少女の前の座席に着こうとする。少女は口の中に牛丼が入っており、話せない状況なので首を縦に振ふる。
「んで、今日はどうだったんだ?仕事は続きそうか?」
「はい、今日はユミ子さんとご一緒にやらせてもらいました。迷惑かけっぱなしでしたけど、少しずつ役に立てるようになればなって感じですかね。」
「ほーう。かなりやる気はあるようだな。」
2人はとりとめもないような談笑をしながらカツ丼をつつく。相変わらず、マヨネーズたっぷりの土方の食べ物に若干引きながら食事をとる少女。
そして2人とも他の隊士達よりも一足早く食べ終わり、2人はそれぞれの部屋に帰ることに。
「んじゃ、また明日な。」
「はい。今日はありがとうございました。」
「ん?」
「気を使ってくださったんですよね?私が1人で食べていたから。その件です。もしよければ、また一緒に食べてもらえませんか?」
「あ、ああ。」
「では失礼しますね。」
1人で食べていた少女に気づき、それとなく共に食べた土方。彼自身は少女が何者であるのか掴みかねている。とは言ったものの、少女が1人で食事をとっていたのを気の毒に思い一緒にとることにした。まさか、そのことを少女に気づかれていると思っていなかった土方は驚いた。