第3章 真選組生活 1日目
「ち、違いますよ!土方さんのせいじゃ無いんですよ!私が勝手に泣き出しただけなんです!」
沖田が悪い顔をしながら少女に詰め寄ると、焦りながら土方に非が無いと弁解した。しかし、なんとなく腑に落ちない近藤も少女に詰め寄る。土方はその様子を口を綻ばせながら眺めている。すると、
「局長、副長。山崎です。」
「おう、入れ。」
「と、ともかく、何もなかったんですからね!本当に!では、明日早いので私はこれで失礼します!それでは!」
山崎が来たことによってこれから仕事の話をすることを感じ取った少女は近藤の部屋から退出することにした。その時に先ほどの話題をしっかりと否定していくのだか、それが返って怪しさを倍増させてしまっていることを、焦っているからなのか少女は気づくことは無かった。
「なんか俺、お邪魔でした?」
「いや、別に構わねーさ。そんな大したことじゃねーし。」
「大したことでさぁ。土方さんがを泣かしたんですから。」
「え"、副長本当何ですか?」
「だからちげーって言ってんだろ!」
「トシが泣かせたんじゃないなら何で泣いたんだ?」
「あー、なんて言えばいいかわかんねーけどよ。アイツさ、この状況だろ?必死こいて我慢してたのに、俺らが甘やかすから我慢できなくなったっつって泣き出した。
」
「'俺ら'?って誰のことです?」
「近藤さんだとよ。」
少女は泣いた理由が自身にとっては恥ずかしい以外の何物でも無いので、隠し通したかったのだが、結局それは叶わなかった。少女がいないところでバラされたのがせめてものすくいだが、先程のような態度では仕方のないことである。