第3章 真選組生活 1日目
「ほら、ここに土方さんはいるはずですぜぃ。」
「はい、ありがとうございます。」
とりあえず、目的地に着いた2人。すぐに入ればいいのだが、少女は沖田より先に部屋を尋ねるのどうなのかと沖田の顔を伺っている。一方沖田は少女が沖田に遠慮して部屋に入ろうとしないことにあえて気付かない振りをして、表情にはおくびにも出さずにその様子を楽しんでいる。
「あ、あのー。沖田さん。入らないんですか?」
「はいりやすぜぃ。だからが先に入るのを待ってるんでさぁ。」
「いや、でもですね。やっぱり先に沖田さんが入った方がいいのでは?」
「別に構いやしませんぜぃ。だから先に入りなせぃ。」
「えーっ。でも…」
「だーっ。お前らいい加減にしろ!どっちからでもいいから早く入ってこいよ!」
「す、すみません!」
「うるせー、土方コノヤロー。そんなに怒ってるとハゲちまいますぜぃ。」
「ほとんどテメーのせいだろうが!」
少女と沖田が襖の前でやり取りしているのを当然土方と近藤は気づいていた。しかし、なかなか入ってこようとしない2人にしびれを切らして土方が怒鳴ってしまう。
「ちゃん。今日はどうだった?必要なものは買えた?」
「あ、はい。取り敢えず思いつく限りのものは買えました!あと、近藤さん。お金ありがとうございました。」
「そんなこと、っていうかそのくらい俺が出したのに。」
「いえ!これ以上ご迷惑をおかけすることなんでできませんよ!ここに住まわしてもらってるだけでも申し訳ないのにその上なんて畏れ多くてできませんよ!」
「そんなに気にすることで無いのに。というか、トシと行くって言った時はどうしようかと思ったけど、大丈夫だった?怖く無かった?」
「そうですぜぃ、この人すーぐ切れるから。泣かされたりしやせんでしたかぃ?」
「おい、テメー総悟!変な言いがかりすんじゃねーよ。