第3章 真選組生活 1日目
「ごめっなさっ。」
「お、おい。とりあえずあそこのソファーに移動するぞ。歩けるか?」
少女が嗚咽を吐きながら泣くので、困ってしまった土方はとりあえずソファーに移動するように提案した。少女はうまく話せないのでコクコクと頷いてともに移動する。
どうしよう。泣くつもりなんてなかったのに。こんなのじゃ余計に土方さんに迷惑をかけちゃう!早く泣き止め!私!
「おい、その悪かったな。さっきも言ったが怒ってるわけじゃねえんだ。」
「ひじっかたっさっは、ヒクッ、わるっくっないっですっ。(土方さんは悪くないんです。)」
「じゃー、どーして泣いてんだよ。」
「だって、あったま、ヒクッ、撫でるっからっ。(だって頭撫でるから。)」
「は?」
「ずとっ、がまっしてるっのに、ヒクッ、ひっかたっさんっも、こんっどうさっも、ヒクッ、わたっの、あたっま、ヒクッなでっるからっ!(ずっと我慢してるのに土方さんも近藤さんも私の頭撫でるから!)」
「…えっと、つまり、はなんだ。真選組で1人心細いのを我慢してるのに、俺らがお前に優しくするから甘えたくなったっていうことか?」
少女をソファーに座らせ、土方は片膝をつき少女を見上げるような体制をとった。そして再び少女の頭を撫でてやる。その行為が安心させるものがあるのか、自身の涙も嗚咽もなかなか治らないので、その言葉に頷いた。
悪いのは私なのに!仕事も休ませてしまったり、荷物も結局持たせてしまったし。挙句の果てには泣いて困らせるし!ただでさえ、私は真選組には迷惑をかけっぱなしだというのに!お願いだから止まってよ!