第3章 真選組生活 1日目
「今日はありがとうございました。」
「おお、まあ気にすんな。」
「でも、お昼ご馳走になってしまいましたし…」
「それも含めて着いて来たんだから気にすんなよ。ていうか、荷物貸せよ。」
「いや、大丈夫です!これ以上迷惑かけるわけにはいきませんから!」
両手に荷物を抱える少女は土方が荷物を持つと言っても断り続け、土方は何も持っていない。土方はそれでは格好がつかないし、周りにどう思われるか分かったものではないので腑に落ちないが、少女が全く折れないので仕方なくといったところである。
思いつく限りの足りなかった必需品は買い終えた少女。その代金は少女に今月分の予定であった給料を特別に先払いしてもらったのである。本当は近藤の財布から支払うつもりであったのだが、少女が強くそれを拒んだため、このようになったのである。
こんなによくしてもらえて…ほんとに申し訳ないな。とりあえず、買い物は終わったし。早く帰らないとだよね。土方さんも仕事があるだろうし。ってかあれ、?土方さん今日仕事じゃないの!?やばい、もしそうだったら、わたしすごく真選組に迷惑をおかけているんじゃ…土方さんといえば真選組のトップ2。2番は大抵組織の中で一番大変な立場。そんな方を連れ出してしまったのか私は!?大変…これはゆゆしき自体!?どうしよう。
「おい。どうしたんだ?」
「土方さん。今更ですが今日仕事じゃないんですか?」
「ほんとに今更だなあ。まあ、有給とったし別に構わねえけど。」
「そんな、やっぱり。本当にすいません!ご迷惑ばかりかけてしまって!」
少女は土方が自身のために仕事を休ませてしまったことに、とてつもない程の申し訳なさを感じていた。一方土方は書類等は残っているが、それほど急ぎのものはなく、日頃から有給を取っていなかったので然程問題はない。むしろ近藤は、少女についていくことで土方が有給を使うことになることを喜んでいた。
だから、少女が謝罪をしたことも、土方が何も荷物を預けてもらえないことに我慢ができなかった。