第10章 真選組女中生活 X日目 志村新八
少し自分の達成感にはまっている新八なのだが、少女が目を大きくて開けて固まっていることに気がつくと、あわてて言葉をつないだ。
「あ、あのね!返事は全然急いで無いからね!単に聞いて欲しかったんだよ!だから今すぐに返事しろとは言わないし、これからも頼ったくれたら嬉しいし。ほら、僕ちゃんのことが好きだからさ!頼られるとやっぱり嬉しいからね!」
「新八さん…それって本当ですか?」
「う、嘘じゃないよ!本当の本当だよ!」
「ありがとうございます。私もなのでお気持ちは嬉しいです。でも…」
「でも…?」
「でも、ごめんなさい。お付き合いはできません。それからこれからは少し距離を置かせてください。」
お妙の予測を裏切る言葉が少女からこぼれた。断られることはあってもまさか頼られることもなくなると知り新八はとても焦った。
えっえっ、ど、どういうことなんだ!?なんで頼ることも辞めちゃうわけ?それにちゃんぼくのと同じ気持ちって…ってそっちじゃなくて今は
「待って、どういうこと?なんで頼ってくれなくなるの?」
「…だって、私、これ以上新八さんに頼ってしまったらこれから新八さん迷惑をもっとかけちゃう…」
「え?」
「私今身寄りが無いじゃないですか。だから誰かにこれ以上頼ってしまうと、その人にすごく迷惑をおかけします。私新八さんの重荷にはなりたくないんです。だから、だから…」