第10章 真選組女中生活 X日目 志村新八
お妙の計画は以下の通りであった。
・観覧車に乗る
・少し話をしながら45°くらいまで行く
・新八が告白する
今の時刻は6時過ぎ、あたりはオレンジ色に染まりこの遊園地の混み具合からするとおそらく、乗って頂上に着く頃には辺りは暗くなり景色はかなり綺麗なはずである。
たとえ失敗したとしてもちゃんが上手く新ちゃんにフォローしてくれるだろうし、それに満更でもなさそうだし。
お妙は今日一日少女の様子をそっと見ていたのだが、どうやら新八は他の周りの男性よりも頼りにされており、距離も近いように感じた。それに新八が少女の世話を焼くために手を触れたりすると少女は嫌そうなそぶりを見せず、それどころか少しだけ恥ずかしそうな反応をしめした。少なくともお妙の目にはそう見え、勝算もかなりあると踏んでのことである。
一方新八はそんなことはつゆ知らず、頼られている件に関しては少女の口から直接聞いているが、告白などあり得ないと思っている。
「む、無理ですよ姉上!そんなことしたら気まずくなっちゃうじゃないですか!」
「そんなこと知らないわ。でもいいの新ちゃん?ちゃんかなり可愛らしいし礼儀もなっているんだから近いうちに男ができる可能性だってあるのよ?好きなんだったら行動しないと、誰かに取られちゃうわよ。」
「そんなこと言ったって…僕に勝ち目なんて最初から無いですよ。」
全くこの子ったら。こんなに頼られてるのに何を弱気になっているのかしら。どう考えてもかなり脈絡ありじゃないの。ったく、これだから童貞は嫌だわ。