第10章 真選組女中生活 X日目 志村新八
「そうですね…優しくて頼りやすいって感じですかね?沢山迷惑おかけしているのに、あんまりそういうそぶりを見せないのでついつい頼り過ぎてしまいます。」
「新ちゃんのこと頼りにしてくれてるの?」
「はい。かなり頼らせていただいています。」
少女はお妙に軽く頭を下げ一緒に礼も述べた。
「私に頭下げなくてもいいのよ?」
「お妙さんにも沢山お世話になりましたから。」
「フフッ、いい子ね。いいのよ私のこと姉だと思ってくれて構わないから、もっと頼ってちょーだい?」
お妙が少女の頭を優しく撫でると新八が3人分の飲み物を持って帰ってきた。
「あれ、2人とも何してるんですか?」
「あら新ちゃんありがとう。」
「これくらいお安い御用ですよ。って僕の言葉は無視ですか姉上。」
「あら新ちゃんガールズトークに男が介入するのは良くないわ。」
お妙が新八に向けて黒いオーラを向けると新八は、アハハ…、とお妙から目を背け少女に目線を写した。
全く新ちゃんってば、もう少しでいいところだったのに。聞きそびれちゃったじゃないの。
この後お妙は少女が新八への好意が恋愛的なものに発展する見込みがいるのか問うつもりでいたのだが、新八が帰ってきたのでそれはできなくなってしまった。