第10章 真選組女中生活 X日目 志村新八
新八が再び一人で唸りはじめたので少女は声をかけた。どうやら少女は少女で変なことをいったのでは無いかと心配になったらしい。
「あ、あ、ごめんね!ちょっと考え事してて。」
「私変なこと言いました?もしかして気を悪くさせてしまいましたか?」
「ち、違うよ!ぜっぜん違うからね!本当に!」
「でも…」
「本当の本当だから!単にさ僕いっつもメガネとか駄メガネとか言われててさ、なんか頼りにされるのって慣れてなかったから、ハハ…」
ショボン、としてしまった少女の誤解を解こうとして逆に落ち込んでしまった新八。しかし、そうこうやっているうちに屯所に着いたので
「ちゃんが頼りにしてくれて嬉しいよ。だから遠慮せずになんでも言ってよ。」
「ありがとうございます。善処しますね。」
「善処って…まあいっか。無理にとは言わないし、これから増やしていけばさ。」
「では、今日もありがとうございました。それではまた。」
「うん、バイバイ。」
頼ってくれるかどうかは不明なのだが、とりあえず好感度がかなり高くあることに喜んだ新八。
家に着いてからずっと上機嫌でお妙に気持ち悪がられてしまったのはまた別の話。