第10章 真選組女中生活 X日目 志村新八
不思議そうに新八の言葉を否定する少女。
少女にとって、同性の神楽や定春を抜きにしたとして、それほど頼り甲斐の視点からでは他の人と新八とでは差がないのである。というか、立場的に頼りづらい近藤、瞳孔が開きっぱなしの土方、その土方にしょっちゅうバズーカをぶっ放す沖田、万事屋でゴロゴロしてたまに下の階のお登勢から怒られている坂田より新八は頼りやすく思っている。
このことを少女は誰にもいってはいないので新八が知らないのは無理も無い。しかし上記の理由でとにかく少女は新八を一番頼りにしているので(異性の中で)新八がしかめっ面をしたことがまさか自身を卑下しているとは思ってもみなかったのである。
「新八さんは一緒にいるとなんというか、安心するので…もし迷惑でなければ私の面倒をたまにでいいのでみてもらえませんか?」
「ちゃん…でも僕大して強くないし、メガネ出し…」
「メガネ?…えーと、強いとかはわかりませんけど新八さんは優しいですし、それだけじゃダメなんですか?」
周りの男性たちは皮肉にもイケメンばかり(新八がブサメンと言うわけではない。)であり、またいつもの周りからの扱いもかなり酷い事もあり新八は自分に自信が持てない。
であるので少女に信頼を寄せられていると知り驚きが隠せない。
え?え?嘘ー!ついに僕にも春が!?ってちっがーう!誰もそんなこと言ってないわー!落ち着け!落ち着くんだ!とりあえずちゃんは僕のこと頼りにしてくれてるのは確かなんだよね?っていうことは別に気にしなくてもいいのか?いや、でもそんなにトーク術が優れているわけでもないし、
「あのー、新八さん?大丈夫ですか?」