第10章 真選組女中生活 X日目 志村新八
その後しばらくヤイノヤイノやっていると時間はあっという間に過ぎしまい、少女は帰ることにした。少女を屯所へ送るのは新八の役目である。はじめは3人と一匹で送ると言われていたのだが、少女が頑なに拒み続け新八もそのまま帰るということで頼むことになった。
待って待って、いったい何話したらいいんだよおお!僕何にも考えずに送るなんてあったけどよく考えたら気まず過ぎるうう!確かに一人で帰るには危ないけどやっぱり僕より神楽ちゃんの方が良かったんじゃ無いのかな?
「…」
心の中で葛藤している新八を見つめ思いつめたような顔をする少女。
やばい、ちゃんすごく悲しそうな顔してる…何か言わないと!えーっ、でもなに話せばいいんだあああ!!
「…ここでいいです、確かここから道違いますよね?今日はありがとうございました。」
少女は新八に礼を言うという別れ道を帰ろうとした。新八は驚き少しの間動きが止まった。
や、やっちゃったよおお!ど、どうしよう!とりあえず引きとめないと!
「ま、待ってちゃんちゃんと屯所まで送らせてくれないかな?」
「でも…迷惑じゃありませんか?」
「全然迷惑じゃないよ!単に僕じゃ役不足なのかなって。」
「どういうことですか?」
「いやさ、ほらちゃんは真選組にいる訳でしょ。そこじゃ沖田さんとか頼り甲斐のある…少なくとも僕より良さげな人沢山いるし、こっちだと銀さんとかあと神楽ちゃんの方が女の子同士だし気が楽なのかなーって。」
「神楽ちゃんは確かにそうですけど、他の方と比べて新八さんの方が劣ってるとは思ったことないですよ?」