第10章 真選組女中生活 X日目 志村新八
定春を撫でながら目の端を少し落として、少しのぼせたような表情をする少女を、優しく見守る3人。少しすると定春は、ワンッ!、と元気に声を出して大きな尻尾を上手く使って少女を自身の上に乗せた。突然のことに4人はびっくり。少女はされるがままに上に乗り、他の3人は固まる。
「さ、定春!?どうしたアルか!?」
「ちょっ、おい!大丈夫か!?」
「なんとか大丈夫ですが…」
「神楽ちゃん一体定春どうしたの?」
「定春一旦下ろすネ!」
「ワンッ!」
神楽の指示どうり定春は少女を自身の背中から一度ゆっくりとおろした。
「定春ありがとう。」
「定春〜なんでいきなりあんなことしたアルか?」
「ワン!」
「ふむふむ。」
「ワンワン!」
「え、神楽ちゃんなんて言ってるかわかるの?」
「全然わかんないアル!」
ズコー、っと坂田と新八は見事にずっこけた。その様子を神楽は冷たい一瞥を与える。
「でも多分を元気にしたかったからアルネ!」
「ワン!」
「な、なんだなんとなくでもわかってたのかよ…」
「当たり前ネ。」
「定春、ありがとう。」
「ワン!」
少女が礼を言うと定春は嬉しそうに尻尾を大きく揺らし、顔を少女に近づけて頬ずりをした。