第10章 真選組女中生活 X日目 志村新八
9/28午前8時
「おーい、万事屋〜。邪魔すんぞー。」
朝から私服姿で万事屋を訪ねる土方。土方は中からの返事を待たずにズカズカと入っていった。その背中には寝ている少女がいる。前日の夜お妙のところへ訪ねており夜遅くまでいたので寝不足でまだ起きていないのである。
万事屋には新八しかおらず
「おー、お前か。アレは、チャイナは今日いねーのか?」
「いや、神楽ちゃんはまだ寝てます。」
「んあー、そうか。コイツの面倒を見てくんねーか。依頼料は弾むからよ。」
「…いえ、依頼料はいりません。」
「…ほう。そんじゃ頼んだぜ。」
少女の面倒を頼んだだけであるのに目をギラつかせる新八。しかし土方から少女を受け取ると新八は愛おしそうに見つめる。何かを感じ取った土方は新八の肩を軽く叩くと颯爽と万事屋を後にした。
一旦少女をソファーに下ろし4人分の朝食の準備をする。
しばらくして坂田と神楽が起きてきたが、一向に起きるけはいが見られず、神楽は約束が有ると外へ定春と行ってしまった。それからまたしばらくして、昼時になるとやっと少女は目を覚ました。
「あ、ちゃんおそよう。」
「随分とぐっすり寝てたもんだな。」
寝ぼけているのか目をこすりボケッとしている少女。そこへお茶を入れて少女の隣へ座ると、少女は新八に擦り寄り甘えるように頭を預けた。これには坂田も新八も驚きたまげる。
「お、おい!新八お前いつのまにコイツを手懐けたんだよ!」
「てててて、手懐けるってなんですか!やめてくださいよ!」
「でもよー、そんなけ懐かれてんのオメーだけじゃねーか?」
「…いや、そんなことないですよ。ちゃんにはほかに頼れる人がいます…」
「俺にはそう見えねーけどな。お前にだけ気を許してるんじゃねーのか。そうじゃなきゃお前にひっついて寝ないだろ。」