第10章 真選組女中生活 X日目 志村新八
特に行くあても無い2人は電車をのんびり乗り継いで海に来た。大分暖かくなって来たといえど、入るにはまだ寒い。砂浜と道路の境目にベンチが空いていたので2人はそこに座る。勿論2人は隙間なくくっついている。
座ってから少しして、少女はおもむろに新八の手を取り出して抱きしめた。新八は固まってしまった。というのも少女は大人では無いにしろ女性である。そうであれば当然男性になくて女性にある、膨らんだものがついている。ソレの感触が新八の腕に伝わってしまったのである。新八は普段女性に対しての慣れが無いに等しいので
まってーーー!?どどど、どうしようう!?ちゃんのむむむ、胸が当たっちゃってるよーー!?どうすればいいんだーー!?銀さん助けてーー!?
と、すでに遠くに来てしまったのに坂田にここらの中で助けを呼ぶしまつ。そして彼に追い打ちをかけるように
「フフッ、あの子達も青春してるわねー。ほんっとあの頃が一番楽しいんでしょうねー。」
っと、近くを通る通行人の1人に言われてしまう。2人にそのような意思がないとはいえ、海と白浜のコントラストが美しく見えるベンチに並び、くっついているので仕方がない。顔を真っ赤にしている新八と打って変わって、先程からずっと新八の肩に頭をグリグリと甘えるように押し付けている。どうやら少女の耳には先程の通行人の言葉が聞こえていないようである。
ここここ、これってぼぼ、僕たち付き合ってるように見えてるっていうこと!?どどどど、どうしよう!?
悪いことをしているわけでも無く、むしろ少女の行動が他の人、とは言ってもそれほどいるわけでも無いのだが、勘違いを起こしているのであるのに、どうしたものかと悩む新八であった。