第10章 真選組女中生活 X日目 志村新八
およそ2分くらいの時間が経つと少女がポツリと言葉をこぼした。
「新八さんには何の礼も無くても甘えてもいいんですよね。」
「勿論。僕だけじゃ無くても神楽ちゃんや銀さんにも甘えても良いんだよ。」
「銀さんは…大人だから嫌。神楽さんは…今まで頼り過ぎたので…これ以上はダメです…」
「僕はいいんだ…」
「違います。新八さんはなぜかわかりませんが、落ち着くんです。ですから、今日だけですから、お願いです。我慢してください。」
少女の最後の言葉は震えていた。言い終わるが早いか少女は新八の胸に顔を埋めた。
可愛い。
新八は素直にそう思った。そして少女をだきしめ
「今日だけなんて寂しいこと言わないでよ。これからは甘えてくれないの?」
「…これからはダメです。だめなんです…」
「そっか、そういえば今日はちゃん休みなんだって。よければ僕と一緒に出かけようか?」
その言葉に少女は頷くと2人は坂田と神楽が起きる前に朝食を取り、新八が置き手紙をして2人で出掛けることにした。
ちなみに少女の服は今朝早くに山崎が届けに来たので朝食のあと身だしなみを整える時に着替えた。